高度な技術と独創性で描く、環境保全の新しい未来

事業内容

弊社の事業内容は下記になります。

新しいリサイクル可能な金属排水処理法

ガスセンサー制御による新しい硫化物法(NS 法)

硫化物法による金属含有排水の処理において、ガスセンサー技術により硫化剤添加を制御。 

悪臭を有する硫化水素の発生とろ過性を悪化させるコロイド化を防止できる新硫化物法。 

国内のみならずマレーシアにもプラントを建設(2016年度 NEDO 海外水処理実証事業)・中国無錫市でも実施。

特徴

  1. スラッジ発生量の削減(含水率:20~50% スラッジ量:従来法の 1/2 以下) 
  2. 高度処理が可能(残留金属濃度を極めて低濃度まで低減) 
  3. アンモニア・有機酸などの錯化剤の影響が少、塩鉄・PAC 添加不要
  4. 異種金属の分離回収可能
  5. 金属のリサイクルが容易 
  6. 既設設備の改造でも実施可能
  7. 回分式、連続式いずれも生産規模で実績

実績

イコールゼロ(株)(長野市)
5基稼働
イコールゼロ(株)(長野市)
5基稼働
イコールゼロ(株)(長野市)
回収された硫化ニッケルスラッジ
イコールゼロ(株)(長野市)
回収された硫化ニッケルスラッジ
(株)山陽レック
(広島市)
(株)山陽レック
(広島市)
マレーシア
NEDO実証事業
マレーシア
NEDO実証事業

参考文献

下記、参考文献になります。クリックしてご確認ください。

有害金属の高度処理

水銀、ヒ素、鉛、カドミウム、セレン、アンチモン

悪臭のしないガスセンサー制御硫化物法(NS法)は有害金属の高度処理には非常に有効です。スラッジ発生量も少なく、無機凝集剤などの添加も不要で高度処理ができます。

当社は総合地球環境学研究所・インドネシア革新庁(BRIN)の依頼を受け、水銀を使った小規模金採掘(ASGM)の対策に取り組んでおります。

実績 水銀を使った小規模金採掘現場(インドネシア)  ※2022年11月23日 撮影

硫化物法による水銀廃水処理

2017年水銀に関する水俣条約が発効しましたが、地球規模で水銀汚染は広がっています。

日本の環境省は水銀処理法に対しては硫化物法を推奨しています。水銀廃水は下図のように硫化剤添加当量付近で急激に濃度変化するため、正確な添加法が重要です。

NS法は正確に自動添加制御でき、水質規制値以内に処理できます。さらにキレート樹脂塔を設けて安全性を高めております。

参考文献

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シアン無害化処理と金の回収

あらゆる形態のシアンを処理する技術を提供します。

シアンは炭素と窒素の化合物で、イオン(CN⁻)になると猛毒です。水素との化合物HCNは青酸ガスで猛毒です。

しかしながら化学的には非常にactiveで広範囲に利用できます。水素・炭素・窒素、宇宙にどこにでもありそうな元素です。水とシアンが反応するとアンモニアと蟻酸(HCOOH)という簡単な有機物になります。シアンが地球上に生命が生まれた原因物質ではないかとの説もあります。

シアンは炭素と窒素の簡単な化合物のため、たとえシアンを使用していなくても製品の製造工程で生成される場合があります。当社はあらゆる形態のシアンを処理する技術を持っております。

シアンの存在形態 化学物資名(例) 毒性比較
イオン結合 シアン化カリ(KCN) 1000
共有結合 アクリルニトリル(CN₂=CHN) 100
配位結合 黄血塩(K₄Fe(CN)₆) 1

1. アルカリ塩素法(シアン排水処理法の定番)

一次反応:pH10.5以上でORP計の指示で次亜塩素酸を添加

二次処理:一次処理後pH中性付近でORP計の指示で次亜塩さんソーダを添加

1次反応:NaCN + NaClO → NaCNO + NaCl

3-1

2次反応:2NaCNO + 3NaClO + H₂O → 2CO₂ + N₂ + 2NaOH + 3NaCl                          3-2

一次反応:
pH10.5以上でORP計の指示で次亜塩素酸を添加
二次処理:
一次処理後pH中性付近でORP計の指示で次亜塩さんソーダを添加

1次反応:

NaCN + NaClO → NaCNO + NaCl

3-1

2次反応:

2NaCNO + 3NaClO + H₂O → 2CO₂ + N₂ + 2NaOH + 3NaCl

3-2

2. 不溶錯塩法(紺青法、亜鉛白法、還元銅塩法)

アルカリ塩素法は一部のシアン錯体(例:フェロシアンやフェリシアン)は処理できない。

それ故、さらに鉄イオンを添加し、より安定な沈殿物を生成させ、固液分離し、排水処理をする方式、鉄以外に亜鉛を添加する場合は亜鉛白法、還元状態で銅イオンを添加する場合は還元銅塩法という。

但し、紺青法以外は問題がある。

シアン廃液は一部加水分解を起こし、アンモニアイオンが生成する。亜鉛、銅はアンモニアと反応し、アンモニア錯体を形成し、シアン分解後の処理液の亜鉛、銅イオンは通常の水酸化物法では処理が不完全になる。一部の解説書に還元銅法は高濃度の遊離シアンも処理できると推奨しているが、紺青法でも高濃度遊離シアンも容易に処理できる。薬剤コストも安い。

紺青法でシアン廃液を処理している現場。脱水ろ過はプレコートフィルター

3. 熱加水分解法と金回収

この方式は、オートクレーブ中にシアン排水を入れ、生蒸気を吹き込み、一般的には170~ 230℃に温度を上昇し、保持するだけでシアンが分解するという簡単なものである。

分解反応式:

CN⁻ + 2H₂O → NH₃ + HCOO⁻

3-1

この反応はあくまで加水分解反応で酸化反応ではない。それ故、空気がなくても反応は進行する。オートクレーブ内は還元性雰囲気である。原液にCrが在しても、処理中に6価クロムになる心配はない。

処理は圧力容器・配管などの中で起こるため、熱回収もでき、意外と省エネルギーシステムで、シアン分解の薬剤は不要でランニングコストは安価である。

めっき濃厚廃液の場合、シアン分解と同時に、有価金属(例:銅、金、銀、白金、パラジウム)が回収されるので、大きなメリットが出ます。反応式を示す。

2Na₃Cu(CN)₄ + 2NaOH + 15H₂O + 1/2O₂ = 8NH₃ + 2CuO + 8HCOONa

3-2

Na[Au(CN)₂] + 2NaOH + 3H₂O  =  2NH₃ + Au↓+ OH⁻ + 2HCOONa

3-3

Na₂[Pt(CN)₄] + 2NaOH + 8H₂O = 4NH₃ + Pt↓ + 2OH⁻ + 4HCOONa

3-4

銅、亜鉛、ニッケル、鉄などのベースメタルは酸化物又は水酸化物でコンパクトに沈殿する。金、銀、白金、パラジウムは金属単体として析出してくる。前者のグループの熱加水分解温度は180℃以下で反応が終了する。後者の貴金属は約200℃以上で熱加水分解を起こすので、連続式に温度を変え、二段処理を行うと、ベースメタルと貴金属の分離は工夫すれば可能、

適用分野は

① 貴金属シアンめっき老廃液処理

② 金鉱山

③ シアンによるプリント基板などからの金回収

熱加水分解法の短所

① 設備費が高い。

② 高温高圧なので高圧容器の法規制がある。

③ 低濃度大量の廃液には向かない。 

④ 熱加水分解反応でアンモニアが生成し、アンモニアが共存する金属とアンモニア錯体を作り 通常の水酸化物法では処理しにくい。

⑤ 設備製作・運営には一定のノウハウがあります。

注:④の欠点の解決のため、当社が開発したのが「ガスセンサー制御硫化物法」(NS処理)です。詳しくは『季刊 資源と素材 第3 巻 4 号(2018)「読者のひろば」』


連続式熱加水分解
回分式熱加水分解
(東京鍍金工業組合シアン処理センター)

参考文献

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